スーパーやドラッグストアの「棚替え」って、頻繁にやっているけど…
売り場の担当者からすると、時間がかかって大変な作業なんだよなぁ。
手順も大まかにか教えてくれないし、効率的な棚替え方法は無いかしら。。。
「棚替え」は、単純な「売り場のディスプレイ」とは違って作業は地味だし、何だかつまらない印象だよねぇ。
けど、業務である以上それは必要な作業なんだよね。
そこで!
今回はドラッグストア店長歴10年以上の私が実体験を元に効率的な「棚替え」の手順とコツについて解説するね!
棚替えとは?
棚に並んでいる商品の「取り揃え」や「配置」、「商品棚のレイアウト」を変更する業務のこと。
ドラッグストアをはじめとする小売店では、頻繁に行われている業務。
カテゴリごとに担当者主導で行われることが多い。
棚替えをする目的・意味
業務を行うモチベーション維持のために、業務を行う目的や意味をハッキリさせておこう!
棚替えを行う主な「目的」として
・「新商品の入れ替え」
・「季節感の演出」
・「陳列状況の改善」
などが例として挙げられます。
また、行う「意味」としては色々な理由が挙げられますが、
・お客様の買い物を、より快適にするため
・従業員が、業務をより効率的に行える様にするため
以上の2点に集約できると考えます。
棚替えの流れを解説
まずは、大まかな「棚替えの流れ」について!
以下の手順で、作業を進めていくね!
- 「棚割り表」の確認
- 作業計画を立てる
- 事前準備をする
(棚替え場所の確認、必要什器を揃える、プライスPOPの仕分け) - 棚から外れる商品の撤去
(処分販売、自然切替、返品、店舗間移動) - レイアウトの変更・什器の調整
(必要什器の設置、商品のサイズ感の把握、棚の高さなどの調整) - 既存商品の配置移動・新商品の陳列
(商品の移動・陳列、フェイス調整) - 最終確認・調整
(プライス、設置販促物、全体のバランスの微調整)
ではさっそく、ここから作業項目別にやり方とコツを説明していきま~す!
①棚割り表の確認
まずは、事前に「棚割り表」を確認しておこう!
もちろん、商品の入れ替えだけで「棚割り表がない場合」もあるよね。
ない場合は、次節で説明する「計画をしっかりと立てる」ことがポイントだよ!
「棚割り表」とは?
「棚割り表」は、商品の配置や棚のレイアウトが画像や表図で表された「棚替えの見取り図」のようなものです。
有名なのは「ストアマネージャー」などのソフトで作られた表ですね♪
https://www.tanawari.jp/products/stgx/business_form/
「最適な棚割計画」を作るために
ストアマネージャーHPより
ドラッグストアや小売店の多くでは、本部から「棚割り表」で棚替え指示が来ることが多いのです。
一通り目を通す
まずは、「棚割り表」を部分的ではなく、全体をざっくりと一通りみることが大切です。
一度棚替えを始めてしまうと、途中で変更するのも大きなタイムロスになってしまうので、「棚割り表全体」をみることで、現状の商品棚の状態との違いを認識しておくことが重要といえます。
②作業計画を立てる
棚替えの計画は、完成までの業務の流れをハッキリとイメージできることがとても大切!
事前に把握しておくことで作業効率がグンと上がるよ!
計画内容でハッキリさせておくべきこと
え?
てか、計画って何を事前確認しとくのが良いん?
そう言うと思って、下に事前確認内容の例を挙げておくぜぇ!
いつ?
いつ「棚替え」を何月何日の何時にやるかを決める。新商品が納品される日、お店の繁忙状況、手伝いに入ってくれる人たちの日程などを考慮して決めるようにする。
どこで?
お店のどの場所のどの部分の棚替えかをしっかりと頭にいれておく。
誰が?
自分一人でやるのか、誰かとやるのかを確認する。他の従業員、本部スタッフ、取引先の方など手伝いが入るのであれば、予め何を任せるのかシミュレーションしてみるのがオススメ。
どの様に?
棚替えの流れを考えておく。最初に商品を外してから始めるのか、棚の高さを合わせてから始めるのか、手順を予め考えておくと作業が早く進みます。
③事前準備
実際に「棚替え作業」に入る前に、「下準備」をしておこう!
「計画」と「準備」で、棚替え完成度の8割が決まると言っても過言じゃないよ!
実施場所の確認
その「棚割り表」はお店のどの位置に再現するものかを確認しておます。
お店の導線(お客様の流れ)にも影響するので間違えない様にしましょう!
必要な”什器”を用意
例えば以下のような什器を必要に応じて用意します。
- 商品棚の”棚板”+支える”棚板受け”
- 商品と商品の間を仕分ける”仕切り板”
- プライスやPOPを棚板に設置するための”プライスレール”
代表的なものを挙げましたが、他にも商品を掛けて販売するための「フック」や「バー」と言った様に棚割り表の仕様に合った什器を取り揃えます。
プライスPOPの仕分け
値段や商品説明が書いてある”プライス”や”POP”は商品棚の「顔」と言える存在です。
使用する”プライス””POP”はあらかじめ綺麗に切り分けて整理しておきましょう!
④商品の撤去(棚を空ける)
では、実際に棚替え作業開始!
まずは、レイアウトを変更しやすいように商品を棚からどかしましょう!
全ての商品を、どかさなくても良い
もちろん棚にある全ての商品を、一度はずしたほうがレイアウトの変更はしやすいでしょう。
しかし!ここは効率を優先させましょう!
「棚割り表に残る既存商品」は、そのまま棚に残したままにします。
「新しい棚割り表に載っていない商品」だけを棚からどかしていきます。
棚から外れた商品の処理方法
てかてか!
棚から外れたこいつら(棚外れ商品)は、どーするん?
「棚外れ品」は、主に以下の方法で処理をするよ!
棚替えが終わった後でまとめて処理する方が効率的だから、事前に以下の通り分類分けしておこう!
処分販売
売りきり終了の商品等は、処分価格のワゴンセールなどをして売り切ってしまいます。
棚替え前に予め発注量を抑えておくことも必要。
旧品を売り切ってから、新商品と入れ替える(自然切替)
「新商品が入る予定の棚」に旧商品を入れて、既存価格のまま売り切ってから入れ替える手法です。
返品処理
問屋さんやメーカーさんに返品できる商品は、棚替え後に返品をします。
他店舗へ移動
自店で外れてしまった商品でも、他店で取り揃えが残る場合には連絡をして貰って戴きます。
⑤レイアウトの変更・什器の位置調整
次に、「棚割り表」通りに商品を陳列するために、棚の位置を調整したり、設置されている販促物の変更などをするよ!
棚に入る商品に合うように、レイアウトを考えながら調整を行おう!
必要な什器を増設・設置する
陳列棚を「新しい棚割り」仕様に変更する際に、新たに棚段が増えたり減ったりすることもあります。
「棚板」や「棚板の固定アーム」「仕切り板」など適切な什器を使って、レイアウトを変更しましょう!
棚の高さを調整する!
商品を置く「棚板」を商品のサイズ感に合わせて「高さの調整」をしましょう!
調整する際のポイントは
・棚の高さ調整は「下段から行う」こと
・商品のサイズ感を考慮して調整すること
⑥既存商品の場所移動・新商品の陳列
では、「商品の設置・陳列」に入るよ!
いよいよ作業の大詰めだけど、計画をしっかりと立てておけばスムーズにここまで来れると思うので頑張って!
既存商品の配置換え
まずは、棚に残る予定の「既存商品」を棚割り表に従って配置していきます。
既存商品を棚に入れ込む際には、使用期限・賞味期限が前後しないように(先入先出で)注意して!
また、商品棚の高さは適切か再度確認しながら作業を進めるとベターです。
新商品の陳列
次に、新商品も棚割り表を参考に陳列していきます。
初めて見る商品もあるでしょう。
サイズ感など予定どおりにいかないことも多いので、フェイス数(同じ商品の列数)を微調整していきます。
また、新商品を入れ込む際の注意点として、棚に空きができないように新商品が納品されてから棚替えを行えば、なおベター。
⑦最終確認・調整
全体を大きくみて”違和感”が無いかをチェックしよう!
見た目の完成度は売上に大きく影響をあたえるよ!
最後に、「棚割り表」と「実際の棚」を見比べてみてください。
チェック項目の例として。
- プライス、POPの設置に間違い・抜けはないか?
- 棚の高さのバランスは良いか?
- 並びは合っているか?
などを意識してみてください。
まとめ
よっしゃー!
「棚替え」かんりょ〜!
しっかりと棚替えの計画を立ててからやると、スムーズなもんだねぇ!
お疲れ様!
大変だけど、「自分が作った売り場から商品が売れる快感」も、ぜひ味わって!
「棚替えをすることのやりがい」というか醍醐味が詰まっていると思うんだ!
へぇ〜!
今まで何となく「上司や本部に言われるまま」に棚替えを行っていたけど、何だか今回は担当者としてステップアップ出来た気がするよ!
最後にワンポイント!
「棚割り表」に隠された「作成者の意図」を考えながら行うと、より楽しめるかも!
棚割り表の作成者は、「商品」「什器」をナゼこの配置で指示したのだろうか?
作成者は、ナゼこの場所に、この棚割りを復元しようとしたのか?
その意図を紐解ければ、もっと「棚替え」が効率的になるよ!
「棚替え」や「売場作り」は色んな知識を学べる仕事!
目的意識を持って取り組むと自己成長のチャンスとなるんだ!
ぜひ参考にしてみてね!
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