ドラッグストアに行くと、季節ごとの「特設コーナー」を見ることが多いと思います。
今回は、そんなドラッグストアの季節別年間イベントの「裏側」ではどの様な業務が発生しているのかについて実態を解説します。
年間の月別イベント
まずは、ドラッグストアで販促が行われる主な年間行事について説明します!
月別 主な季節イベント一覧
月 | イベント |
---|---|
1月 | 「初売り・新年」「成人式」 |
2月 | 「バレンタインデー」「節分」 |
3月 | 「ホワイトデー」「雛祭り」「春彼岸」 |
4月 | 「新生活」「衣替え」「お花見」 |
5月 | 「母の日」「子供の日」「GW」「衣替え」 |
6月 | 「父の日」「梅雨」 |
7月 | 「七夕」 |
8月 | 「夏休み」「お盆・お中元」 |
9月 | 「敬老の日」「衣替え」「秋彼岸」 |
10月 | 「ハロウィン」 |
11月 | 「勤労感謝の日」「七五三」 |
12月 | 「クリスマス」「お歳暮」「年越し」 |
売り場を作るタイミング
対象イベントの規模にもよりますが
大規模イベント(お歳暮・お中元、クリスマスなど)の場合→2ヶ月半くらい前
小規模イベント(お花見、敬老の日など)の場合→1ヶ月半くらい前
から売り場の準備をすることが多いように思います。
繁忙期(イベントが重複するタイミング)
年間の行事の中にはイベントの多い時期(繁忙期)と少ない時期(閑散期)が存在します。
ドラッグストアの中で言えば、年末・年始(12〜1月)と夏休み・お盆(7〜8月)が繁忙期といえます。
特にローカルのドラッグでは、帰省する人が増える影響から繁忙期と閑散期で客数が大きく差が生じます。
業務内容
では、各イベントで実際に何をしているのかを説明します。
イベントごとにお店の雰囲気を演出することで、お客様に楽しい買い物体験を提供したり、購買意欲を向上させる目的で行うことが主な業務になります。
まさにココが「担当者の腕の見せ所」でもあります。
ディスプレイ方法を考える
売り場に特設コーナーを作る時には、設置場所の状態に合わせてディスプレイの方法を計画する必要があります。
「平台などを使い直に商品を積むのか」
「ゴンドラ棚を設置して棚に陳列するのか」
「専用の販促什器を使用して並べるのか」
などによっても、計画は変わってくると思います。
まずは設置場所の確認が重要になります。
販促物や飾りの設置
商品を並べる方法を確認し陳列をしたら、次に飾りつけで売り場の演出を行います。
作成した売り場が何のコーナーなのかをパッと見でわかる位に簡潔に演出を施します。
使用する飾りには「メーカーから送られてきた販促物」や「自店で用意した備品や什器」などを使いますが、できる限り「メーカーから送られてきた“純正の販促物“」を使った方が分かりやすい売り場になるので、うまく組み合わせて使用します。
飾りつけの最後に、コーナー上部に「ボード状のPOP」や「のぼり旗」などを設置台や天井から吊るすなどしてコーナーを強調するとアイキャッチとなって分かりやすくなります。
併売商品を陳列する
季節商品というのは、実際には最終的な利益率の低い商品になります。
時期が過ぎてしまうと値引き販売の対象になってしまって、結果的に利益を圧迫するからです。
その対策として、「関連商品の併売」が挙げられます。
お客様が実際に商品を手に取ったときに、商品を使った時のイメージが付きやすいように一緒に必要になる商品を隣に陳列しておけば、顧客の満足度も上がります。
お店としても、客単価が増えて利益を担保できることに繋がります。
お店とお客様、どちらも「Win-Winの関係」に持って行くことも担当者としての腕の見せ所といえます。
特設コーナー作成の裏話
今まで説明したのは、あくまでセオリーです。
実際には、この様なことも同時に発生しているのが現実です。
あくまで「裏話」。
小売店にお勤めの方には共感していただけると思います。
時期が過ぎた商品の値引きや返品の処理が大変
設置したイベントコーナーの行事が終了すれば、もちろん売り場から商品を撤去します。
では、撤去した商品はどうしているのか?
大半の商品は「値引き販売」「返品」「廃棄」の道を辿ります。
その処理が担当者にとっては、結構な負担となってきます。
こちらも、売り場を作る段階でいつやるのかを行動計画に落とし込んでおくと便利だといえます。
イベントの時期が被った時は場所の取り合いになる
売り場は常に場所の取り合いです。
各部門のバイヤーにとってはできる限り商品を売って欲しいので、場所の取り合いになることは必至です。
こちらも、本部の指示との折り合いをつけ、年間で「この場所でこの行事商品を展開する」とあらかじめ決めておくことが業務の負担軽減につながるといえます。
時間が確保できず短時間で作成する羽目になる
ドラッグストアの売り場の責任者・担当者というのは常に時間に追われているものです。
どこのドラッグストアに行っても、暇そうにしている店員を私は見たことがありません。
「売り場作り」も例外ではなく、時間のない中で行われている業務になります。
如何に効率的に売り場を作れないかを考えて作業にあたっているので、思った以上にハードな業務になるのが現実です。
まとめ
今のドラッグストアは、もはや「何でも屋」さんです。
扱う商品が多ければ、常に新商品や季節品の売り場づくりに時間が取られます。
計画がとても重要になるのでお勤めの方は今回の記事を参考に計画を立ててもらえると幸いです。
コメント