接客業をしていれば避けられないのが「クレーム対応」です。
今回はそんなドラッグストアにおけるクレーム対応業務の「実例集」と実際の場面で役に立つ「解決策」をまとめました。
簡単なノウハウにも触れていますので、ぜひ参考にしてもらえると嬉しいです。
また、小売業界にいればクレームによるストレスは切っても切れないものです。
「自分で自分を癒す術」は持っておきましょう!
こちらの記事も是非参考にしてみてください
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実際にあったクレーム実例集
実際に私が対応を迫られたクレームの実例の一部をご紹介します。
実例から今後のクレーム対処法の参考にしてみてください。
実例① 値段表記間違い
経緯
レジの値段と売り場に表記されている値段が違う!
何とかして!
大変申し訳ありません。
すぐに表記を確認致します。
確認してみたところ商品の棚に違う商品のプライスが…。
お客様に事情を説明したところ…。
このプライスを見て買おうとしたのだから、この値段に変更してレジを打ってちょうだい!
てて…店長!どうしましょう〜。(汗
解決策
これに対し、私が行ったことは
「謝罪をし、お客様の言われた通りに売価変更をして商品をお売りしただけ」
です。
「ええ〜っ!客の言う通りにしてしまったら、なんでもまかり通ってしまうんじゃないの?」
と思われたかもしれません。
もちろんお客様に
「こちらの商品の正しい値段はこちらになりますので、今回だけこの価格でお売りします」
と説明した上での話ですが、この時は不要なトラブルを回避する方が優先度が高いと判断しました。
私が思うこの様なトラブルの解決策として相応しい行動は「裁量権を持っている人に判断を委ねる」と言うことです。
裁量権を持っていない従業員が対応して判断が遅れてしまっては、トラブルが余計に大きくなってしまいます。早めに周囲に頼るようにしましょう!
実例② 値引き品の大量取り置き依頼
経緯
その日は季節商品の入れ替えもあり、処分販売商品をワゴンに大量陳列している時のことでした。
1人のお客様が、大量の処分販売品をレジにお持ちになった時のことです。
ドサッ!
これさ…全部買うから、店で預かってくんない?
徐々に持ってくからさ!
お、お客様、、困ります!
他のお客様に商品が行き届かなくなりますし、商品を預かっておくサービスはしておりません。
どうしてもということであれば、
お名前・ご連絡先をお聞きした上で数日以内に取りにご来店ください。
いや、いつもこの店で買ってんだから顔パスだろ!
こっちは常連客よ?常連!…わかる?
ヒィ…!
て、て、て…店長〜!
解決策
これに対し、私が行ったことは
「毅然とお名前・ご連絡先をお聞きし、できなければお預かりできません。と当初のルールを徹底すること」
です。
常連のお客様相手に毅然とした態度は中々取れないのでは?
「来なくなる」or「本部にクレームが入る」危険性もあるのでは?
と思われるかもしれません。
大切なのはリスク管理として、お客様が帰った後で「根回し」をすることです。
根回しとして行うのは、「上役に相談」「近隣店舗にも連絡」です。
「店長」だからと言って、孤独に戦う必要性はどこにもありません。
本部にクレームが入るかもしれない、他店に変な評判を流され迷惑がかかってしまうかもしれない、と思うのであればガンガン周りに頼って、ルール通りの店舗運営を毅然と努めればいいのです。
どんな立場であれ、どんどん周囲を頼りましょう!
実例③ 必要以上の店員への個人攻撃
経緯
ちょっと!そこのあなた!
あなた、ここの店長?
ちょっと言いたいことがあるんだけど。。。いい!?
Aさんって言うレジ係の店員、あいさつの声が小さすぎると思わない?
どういう教育されてるのかしら?
それは、申し訳ありませんでした。
お客様のお声として、従業員教育の参考にさせていただきます。
そう言うことじゃなくて…。ハァ…。
私が何となく「気に入らない」って言ってるの!
何日までにクビにするとか、いつまでに異動させるとか、そういったことでしょ!?
…で?どうなの?改善されるまで私、見張ってるわよ?
すぐにそうったことはできかねますが、お客様の声を参考に従業員教育の改善に取り組ませて頂きます。
今後もお客様として当店をご利用いただき、見届けていただけると幸いです。
その後、原因究明のため従業員Aさんの様子を伺うことに…。
しかし、挨拶のボリュームが小さいわけでもなく、対応が悪いようにも感じ無かった。
原因を調べていくうちに、そのお客様が従業員Aさんに対しいつもキツく当たっていることが分かった。
そして、お客様が個人攻撃に走ったきっかけが、「笑顔での対応」だったのだ。
以前にそのお客様が「痔の薬」を買うために、従業員Aさんのレジにて会計した時のことです。
従業員Aさんは、いつもの感じで「笑顔での接客」を心掛け対応、そのお客様から「私のことを笑っているの?」とお叱りを受けた経緯があり、その時以来Aさんに辛く当たるようになってしまったとのこと。
解決策
これに対し、私が行ったことは
「その従業員と面談した上で、上司に異動の相談をすること」
です。
一度こじれた個人的な人間関係を修復するのはハッキリ言って至難の業です。
距離を取るのが一番です。
もちろん、本人が納得した上での異動であれば…ですが。
異動によって片方に不利益が出る場合は、店舗内の工夫で距離を取るように仕組み化しましょう。
そのお客様と揉めそうになった時にはレジを代わってあげるとか、いつも来る時間帯には違う仕事を割り振る等は有効な手段だと言えます。
クレーム対応の基本
ココでは、クレーム対応の基本を説明します。
クレーム対応に関する書籍は多く出版されています。
しかし、どの業界にも言える「広く浅くの一般的な内容」が多い印象。
もちろん書籍を参考にすることは良いことですが、
今回はさらに踏み込み基本を大切にしつつ「ドラッグストアならではの対応の基本」に特化して、より実践的に内容を説明させて頂きます。
初期対応でトラブル対応の質は決まる
「人間の怒りの持続時間は最初の6秒間」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
その言葉にある通りクレームを始めとした「トラブル対応」は、初期対応の行動内容次第でこじらせてしまうかどうかが決まります。
では、実際にはどのような初期対応が望ましいのかを説明します。
トラブルを聞きつけたら即座に「話を聞く」
クレームが入ったお客様から「話を聞いてくれてスッキリした!」とそれだけで解決することもよくあることです。(私も経験済)
まずは「最初の6秒」を凌ぐためにも、お客様から話を引き出して相手が話し終わるまで待ちましょう!
ご意見の内容は正しく把握する必要がありますが、難しく考えずまずは話を聞きましょう。
早めの謝罪
トラブルに対応するには事実確認が必要です。
しかし、ここで大切なのは「謝罪」と同時並行で行うことです。
よく「すぐに謝罪したらこちらの非を認めることになるので早計では?」と思われがちですが、実際には対応でお待たせしている事実もあるので、相手に謝罪をしたからと言って即トラブルになることはほぼありません。
ただし、「医薬品」に関することに関しては事実と違うことは言えません。「待たせていることに対する謝罪」だということをハッキリさせておくと良いでしょう。
待たせない工夫
対応に時間がかかる場合
「医薬品」や「健康」に関わることには対応に時間がかかることもありえます。
時間がかかると分かった時点で「担当スタッフの名前」「相手のお名前・ご連絡先」「ご連絡期日」をお聞きしてお帰り頂くのがベターです。
長時間待たせた上で「解決できませんでした」が、一番火に油を注ぎます。
電話での対応
同様に電話でのクレームを受けた場合にも、対応に時間がかかる場合こちらから電話を折り返す提案をしましょう。
イタズラ目的のクレームの際も、相手の連絡先を知ることができるので効果的です。
1人で抱え込まない
大きなトラブルは複数人で解決に当たりましょう
大きなトラブルに発展することも想定して、できるだけ周りのスタッフを巻き込み複数人でトラブル解決に当たりましょう。
こちらに非のないクレームの場合、言葉は悪いですが「相手への圧力」にもなり大きなトラブル発展を防げます。
周囲に助けを求める
トラブルの時ほど「報連相」を活用しましょう!
上司や周囲に言わずにトラブルが大きくなることはよくあることです。
自分の立場の特権をフルに活用しましょう!
本来、上司というのは部下より多くの解決の引き出しを持っているはずです。
もし、その上司がアテにならないのであれば、さらにその上の上役に相談するのも一つの手かもしれません。
クレームに対しての考え方
マイナスなイメージを持たれがちな「クレーム」や「お客様からのご意見」ですが、ポジティブに捉えれば内容によっては「改善すべき“伸びしろ“」と考えることもできます。
とは言え、言われた側はキツめの口調なども相まって精神的にきついもの…
ココでは、クレーム内容をポジティブに考えることで精神的ツラさを緩和できた実例を紹介します。
精神的負荷の大きさを把握する
まずは、クレーム対応業務というのは「自分で思っている以上の精神的負荷を伴うもの」だということを把握してください。甘く考えている方が多すぎます。
そして対応の際には、上司や周りの人を頼ることを躊躇してはいけません。秒で頼りましょう!
誰か1人のせいでクレームは起きるのではない
クレーム対応は「チーム戦」です。
トラブルが起こった場合、必ずしも誰か1人が悪いというわけでもありません。
そして、トラブルが起きやすくなっている「環境」の方に原因があることが8割です。
環境に問題があるのであれば、チーム一丸となって原因となった「仕組み」の方を改善していけば良いのです。
一生懸命頑張っている人間を責めるのは、お門違いだと気づくと心が少し軽くなると思います。
クレームがない職場の方が不健全
クレームには、「このお店にはこうなって欲しい。」と言うお客様からの「願い」も含まれています。
(意味不明な個人攻撃に走る方もいらっしゃいますが…。汗)
一定の反響があるからこそお客様の声につながるとも言えるため、クレームがないお店の方がハッキリ言って「不健全」なのです。
そのため、お客様からのクレームやご意見というのは尽きることは今後もないと言っていいでしょう。
逆に言い換えれば、「クレーム=伸びしろ」。
このように捉えることもできます。
クレームをもらった本人が気に病むことで、さらにサービスの質が下がってしまっては本末転倒といえます。
クレームというのは働いていれば誰でも受ける可能性があります。気にしないためには「自分で自分の機嫌を取れる」ようになっておく必要があります!
こちらの記事を参考にしてください。
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【ストレスが溜まったら即実践!】始めるべきおすすめの「癒しの習慣」 7選
まとめ
クレームって、受けた本人は精神的にとっても辛いよね…。
わかる…。僕も何度落ち込んだか…。ボコボコになるまで言われたことだってあるよ…。
けど、そのクレームの内容にも一定の「意味」はあるし、落ち込んでばかりはいられないよね!
だから、自分の身は自分で守って欲しいし、自分に優しくできるのは自分しかいないから自分を大切にして欲しいんだ。
是非僕の書いた記事を参考に、自分で自分を大切にする方法を考えてみてほしい。
「癒しの習慣術」の記事はこちらから
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