2009年から誕生し、今や知名度の高い資格となった「登録販売者」。
近年では実務経験不要で受けられ(以前は2年間の実務経験が受験資格となっていた)、ドラッグストアに務める上で必須と言って良い資格になっています。
しかし、この制度が出来た頃から既に店長だった私が思うに登録販売者の業務には向き・不向きがあると感じています。それは、他の業務に比べて業務内容にある程度の専門性が必要だからです。
今回は、そんな「ドラッグストアの登録販売者に向いている人・向かない人」の特徴を10年以上ドラッグストアの店長をしてきた私こと「たか店長」の目線で、それぞれ3点ご紹介したいと思います。
登録販売者に向いている人 特徴
特徴① 相手の話を聞く・引き出すことが得意
「登録販売者」と言うと困っている人に必要な薬を提案することがメインの仕事だと思われがちです。確かにその様な面もあります。
しかし、実際には相手へ「こちらから提案する」よりも「相手の話を聞く」方が何倍も重要な仕事になります。
「相手の話を引き出す」ことで適切なお薬を選ぶ必要があるからです。
また、地域の交流を深めることでお客様からの信頼を勝ち取らなくては、必要ともされなくなってしまうことも事実です。
特徴② 仕事内容に対するこだわりが薄い
意外に思われるかもしれませんが、こだわりが薄い方が登録販売者には向いています。
この様に言うと情熱の薄い駄目なやつと思われがちですが、秘めた情熱とは別に「こだわりがない」は登録販売者にとっては武器となり得ます。
実は店舗や会社にもよりますが、登録販売者の業務時間の割合としては「接客時間」よりも「その他の業務時間」の方が長い傾向にあります。
これは、「登録販売者」である前に「ドラッグストアの店員」と言う幅の広い業務をこなさなくてはいけない立場でもあるため、中々「俺は医薬品の接客しかせん!」と言う理屈が通りにくいためです。
すぐに頭を切り替えられ、こだわりや執着の薄い人の方が「ドラッグストアの登録販売者」には向いていると言えるでしょう。
特徴③ 最新情報を仕入れるのが好き
ハッキリ言って登録販売者の資格は持っているだけでは接客はできません。
確かに、普遍的な知識であれば登録販売者試験の勉強をしていれば多少の困っている方の手助けはできるでしょう。
しかし、新しく販売された「商品名」や「成分名」「リスクランクの変更」等の最新の情報は試験勉強の内容だけでは補完できません。ましてや、最近の接客方法のトレンドや時事情報などは、もちろんのこと自分で情報を仕入れるしかありません。
常に最新情報にアンテナを張れる人の方が、登録販売者には向いていると言えます。
登録販売者に向いていない人 特徴
特徴① ハッキリと物事を主張できない
「相手のことを思えば」の事実、医薬品の使用方法や適切なお薬・商品などはハッキリ主張出来なければ登録販売者は務まりません。
当然、分からないことは「分からない」と事実をハッキリと伝えた上で一緒に検討する素直さも必要になってきます。
相手に忖度ばかりをしてしまえば、たちまち間違った情報として相手へ伝わってしまいクレームの元になります。
特徴② 対応の柔軟性に自信がない
登録販売者は、お客様との揉め事や接客トラブルが起きやすい、又は巻き込まれやすい仕事だと言えます。
扱っている商品自体、ちょっとした表現や言い回しがトラブルの原因になりやすいことも要因としてあります。
時に、相手の言い分も否定しないように正しい方向へ誘導していく必要も…。
トラブル回避には、一時的にでも固定観念を取り払って柔軟に対応する必要があり、得手・不得手が出やす場面が多いのもこの仕事の特徴です。
特徴③ 他人に興味がない
ご存じの通り登録販売者の仕事の多くは「接客業」です。
本末転倒な話ですが、市販薬を買う時に必要な情報はネットで調べればわざわざ店員に聞かずとも知ることが出来ます。
それでも、ネットの情報ではなく店員に商品の事を聞いてくるのは、信頼感や安心感を感じられるからです。
そして、その期待に応えられるのは「人間が話を聞いてくれること」以外にはありません。その最たる職業が「接客業」。登録販売者は、相談相手に興味を持たないと務まることはありません。
「人間嫌い」は、登録販売者にとっては不利といわざるを得ません。
まとめ
それぞれ3選にしてまとめてみましたが如何でしたでしょうか?
これは、実際に資格を取ったものの「登録販売者のポジョンを降りたい!」と相談を受けることも多くある実情を踏まえて考えた特徴になります。(特徴に当てはまるからと言って100%出来ない!と言う意味ではありません。)
逆に登録販売者になることで「仕事に対するモチベーションが上がった!」と言う人も多くみてきました。
今回は、あくまで「ドラッグストアに務める登録販売者」に絞った向き・不向きの内容になります。
登録販売者は、今後も需要の拡大が見込める資格です。是非参考にして、ドラッグストアの登録販売者という仕事に興味をもってもらえると嬉しく思います。
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